演習問題
概要
演習問題をいくつか用意しました。 各問題の冒頭にある番号はこのテキストの章番号を表しており、その章を読み終わったら順番に解けるようになっています。
また、*
がついた問題は少し難易度の高い応用問題となっています。
それ以外は基礎的な問題なので必ず解くようにしましょう。
(1) ファイルを表示する
(2.4 オブジェクト)
Linuxのcatコマンドのようにファイルの内容をそのまま出力するcat.rb
というプログラムを作成してください。
表示するファイル名はsample1.txt
としてください。
sample1.txt
は次のURLからダウンロードして、プログラムと同じディレクトリに保存してください。
https://raw.githubusercontent.com/nownabe/webapp_tutorial/master/ruby/sample1.txt
Mac/Linuxであれば次のコマンドでダウンロードできます。
curl --output ~/lestudy/ruby/sample1.txt https://raw.githubusercontent.com/nownabe/webapp_tutorial/master/ruby/sample1.txt
Rubyでファイルを読み込むには次のようにします。
File.read("sample1.txt")
File.read("ファイル名")
でファイルの内容を文字列として読み込むことができるので、そのままputs
やprint
で出力することができます。
(2) コマンドライン引数
(2.4 オブジェクト)
コマンドライン引数を3つ受け取って、そのまま出力するargv.rb
というプログラムを作成してください。
Rubyではコマンドラインからの引数を受取ることができます。 例えばRubyプログラムを実行するときに
ruby my_program.rb ABC
とプログラムのファイル名の後ろに文字列をつけると、プログラムの中でその文字列を使うことができます。
この例だとABC
という文字列をプログラム内で使用することができます。
また、スペース区切りで複数の文字列を使うこともできます。
ruby my_program.rb ABC XYZ
このような文字列のことを、コマンドライン引数といいます。
Rubyのプログラム内でコマンドライン引数を使うにはARGV
というものを使います。
例えば上の例だと、ARGV[0]
は"ABC"
を意味します。
ARGV[1]
は"XYZ"
を意味します。
数字を増やせばもっと引数を受取ることができますが、数字は0から始まることに注意してください。
以上を踏まえ、argv.rb
を実行するとこんな感じになるようにしてください。
(3) コマンドラインでファイル名を受け取ってその内容を表示する
(2.4 オブジェクト)
(1)で作成したcat.rb
を修正して、コマンドラインで指定したファイルの内容を表示するようにしてください。
プログラムはcat2.rb
としてください。
(4) ユーザー入力の取得
(2.6 変数)
ユーザー(プログラムを実行する人)の名前を聞いて、その名前に対して「こんにちは、○○さん」と挨拶するプログラムhello_user.rb
を作成してください。
また、プログラム中で必ず変数を使用してください。
$ ruby hello_user.rb
お名前を教えて下さい > nownabe
こんにちは、nownabeさん
プログラムの外部から動的に情報を受取るには、コマンドライン引数以外にもあります。 そのひとつが、プログラム実行中にユーザーに入力してもらう方法です。
gets
というメソッドを使えば、ユーザーが入力する1行を受取ることができます。
irb(main):001:0> gets
ユーザー入力
=> "ユーザー入力\n"
irb(main):002:0>
gets
で受け取った文字列には改行が入っています。
末尾の改行を取り除くにはchomp
メソッドを使ってください。
irb(main):001:0> name = gets
nownabe
=> "nownabe\n"
irb(main):002:0> name.chomp
=> "nownabe"
(5) ファイル連結
(2.6 変数)
コマンドライン引数で2つのファイル名を指定するとその2つのファイルの内容を連結して表示するプログラムconcat_files.rb
を作成してください。
実行例:
$ head sample1.txt > short_sample1.txt #(短いsample1.txtを作る)
$ ruby concat_files.rb short_sample1.txt short_sample1.txt
# はじめてのRuby
## 概要
Rubyのプログラムを作って実行してみます。
## プログラムとは
プログラムとは「コンピュータへの命令」を記述したものです。
別の言い方をすると「コンピュータに何をして欲しいか」が書いてあるものです。
例えばスマホには必ずついてるアラームのプログラムなら「設定した時間にアラームを鳴らして欲しい」と書いてあります。
音楽プレイヤーには「指定した音楽ファイルをスピーカーから流して欲しい」と書いてあります。
# はじめてのRuby
## 概要
Rubyのプログラムを作って実行してみます。
## プログラムとは
プログラムとは「コンピュータへの命令」を記述したものです。
別の言い方をすると「コンピュータに何をして欲しいか」が書いてあるものです。
例えばスマホには必ずついてるアラームのプログラムなら「設定した時間にアラームを鳴らして欲しい」と書いてあります。
音楽プレイヤーには「指定した音楽ファイルをスピーカーから流して欲しい」と書いてあります。
(6) ファイル連結2
(2.7 メソッド)
(5)で作成したconcat_files.rb
を次のようにして書き換えた(同じ動作をする)concat_files2.rb
を作成してください。
- ファイル名を引数として受取りそのファイルの内容を出力するメソッド
print_file
を作る - そのメソッドにコマンドライン引数を渡す
(7) ヒアドキュメント
(2.8 条件分岐)
2.8 条件分岐の練習問題(3)で作成したHello, world!のプログラムをヒアドキュメントで書きなおしてください。
ヒアドキュメントとは複数行に渡る文字列を簡潔に書くための方法です。
irb(main):001:0> <<EOS
irb(main):002:0" これはヒアドキュメントです。
irb(main):003:0" 複数行に渡る文字列を
irb(main):004:0" こ〜〜〜〜〜〜
irb(main):005:0" んな感じで書くことが
irb(main):006:0" できます!!
irb(main):007:0" EOS
=> "これはヒアドキュメントです。\n複数行に渡る文字列を\nこ〜〜〜〜〜〜\n んな感じで書くことが\nできます!!\n"
EOSはヒアドキュメントの終わりを示すキーワードで、EOSでなくてもOKです。
ヒアドキュメントは次のように変数に代入したりそのまま出力することもできます。
string = <<DOC
ここはヒアドキュメント。
変数に代入することもできます。
ヒアドキュメントの終わりを示すキーワードはEOSじゃなくてなんでもOKです。
小文字でも大丈夫ですが、わかりやすいように大文字にすることが多いです。
EOSはEnd Of Stringの略です。
DOC
puts string
puts "========"
puts <<HTML
<h1>ヒアドキュメント</h1>
<p>ヒアドキュメントはこのように、直接出力することもできます。</p>
<p>少しわかりにくいかもしれませんが、複数行に渡る長い文字列を扱うときには非常に便利です。</p>
HTML
このプログラムを実行すると次のようになります。
$ ruby heredocument.rb
ここはヒアドキュメント。
変数に代入することもできます。
ヒアドキュメントの終わりを示すキーワードはEOSじゃなくてなんでもOKです。
小文字でも大丈夫ですが、わかりやすいように大文字にすることが多いです。
EOSはEnd Of Stringの略です。
========
<h1>ヒアドキュメント</h1>
<p>ヒアドキュメントはこのように、直接出力することもできます。</p>
<p>少しわかりにくいかもしれませんが、複数行に渡る長い文字列を扱うときには非常に便利です。</p>
参考:
(8) ファイル表示++
(2.8 条件分岐)
(3)で作成したプログラム基に、次のように改善したプログラムを新しく作成してください。
- ファイルが存在したらファイルの内容を出力する
- ファイルが存在しなかったら「ファイルが存在しません」と出力する
ファイルが存在するかどうかは、次のように確認することができます。
irb(main):001:0> File.exist?("sample1.txt")
=> true
irb(main):002:0> File.exist?("sample2.txt")
=> false
参考:
(9) 行数表示
(2.10 繰り返し)
(8)で作成したプログラムを基に、次のように修正したプログラムを新しく作成してください。
- 各行の先頭に行数を挿入する
このプログラムを実行すると次のようになります。
$ ruby numbered_cat.rb sample1.txt
0: # はじめてのRuby
1: ## 概要
2: Rubyのプログラムを作って実行してみます。
3:
4: ## プログラムとは
5: プログラムとは「コンピュータへの命令」を記述したものです。
6: 別の言い方をすると「コンピュータに何をして欲しいか」が書いてあるものです。
7:
8: 例えばスマホには必ずついてるアラームのプログラムなら「設定した時間にアラームを鳴らして欲しい」と書いてあります。
9: 音楽プレイヤーには「指定した音楽ファイルをスピーカーから流して欲しい」と書いてあります。
10:
11: ## プログラミングとは
12: プログラムを作ることです。
13: 言い換えると、「コンピュータにしてほしいことをコンピュータに__正確に__伝える」作業になります。
14: だいたい人間が行います。
15:
16: ## Rubyとは
17: プログラムを書くための人工言語です。
18: 人間がコミュニケーションを取るための言語ではなく、人間がコンピュータへの命令を書くために作られた言語です。
19:
20: また、Rubyは「楽しくプログラミングする」ということを目的に作られています。
21:
22: ## Rubyでのプログラミング
23: Rubyでのプログラミングは次のような流れになります。
24:
25: 1. テキストエディタでRubyプログラムを書く
26: 2. プログラムをファイルに保存する
27: 3. 保存したプログラムを実行する
28:
29: この章ではこの流れを一通りやってみます。
文字列(ファイルの内容)を行ごとに処理するには、次のようにします。
file_content.lines.each do |line|
各行ごとの処理
end
文字列.lines
で行の配列が返ります。そして、その配列にeach
で繰り返し処理をしています。
参考:
(10) ヘッダの抽出
(2.10 繰り返し)
(8)で作成したプログラムを基に、次のように修正したプログラムを新しく作成してください。
- ヘッダ行(
#
を含む行)だけを表示する
このプログラムを実行すると次のようになります。
$ ruby extract_headers.rb sample1.txt
# はじめてのRuby
## 概要
## プログラムとは
## プログラミングとは
## Rubyとは
## Rubyでのプログラミング
ある文字列にある文字が含まれるかどうかを調べるには、include?
メソッドを使います。
irb(main):001:0> "Hello, world!".include?("H")
=> true
irb(main):002:0> "Hello, world!".include?("A")
=> false
参考:
(11) じゃんけん
(2.10 繰り返し)
下図のようなユーザとじゃんけんをするプログラムを作成してください。
コンピュータの手を決めるのはrand
メソッドを使用してください。
rand(N)
でNより小さいランダムな整数が返ります。
>> rand(3)
=> 1
>> rand(3)
=> 0
>> rand(3)
=> 1
>> rand(3)
=> 1
>> rand(3)
=> 0
>> rand(3)
=> 2
次のプログラムを埋めると実現することができます。
# じゃんけんの手と数字の対応:
# 0 = グー
# 1 = チョキ
# 2 = パー
def convert(number)
case number
when 0
"グー"
when 1
"チョキ"
when 2
"パー"
end
end
puts "じゃんけんしましょう!"
puts "出したい手と対応する数字をにゅうりょくしてください。"
puts "(9を入力すると終了します)"
loop do
print "\n何を出しますか?(グー: 0, チョキ: 1, パー: 2) > "
user = gets.chomp.to_i
# 処理: ユーザの入力が9ならループを抜ける
# 処理: コンピュータの手をrandで決める
# (cpu変数に代入する)
puts "#{convert(user)}ですね!コンピュータは#{convert(cpu)}です!"
if user == cpu
puts "あいこで〜〜"
elsif # 条件: 勝ち負けの条件
# 処理: 勝ち負けの出力
end
end
(12) 配列でじゃんけん
(2.13 配列)
(11)のプログラムを配列を使って作りなおしてください。 次のプログラムを穴埋めしてください。
te = # グーチョキパーの配列
puts "じゃんけんしましょう!"
puts "出したい手と対応する数字を入力してください。"
puts "(9を入力すると終了します)"
loop do
print "\n何を出しますか?(グー: 0, チョキ: 1, パー: 2) > "
user = gets.chomp.to_i
# 処理: ユーザの入力が9ならループを抜ける
# 処理: コンピュータの手をrandで決める
# (cpu変数に代入する)
puts "#{ユーザの手}ですね!コンピュータは#{コンピュータの手}です!"
if user == cpu
puts "あいこで〜〜"
elsif # 条件: 勝ち負けの条件
# 処理: 勝ち負けの出力
end
end
(13) ハッシュで勝敗判定
(2.14 ハッシュ)
(12)のプログラムの勝敗条件をハッシュで判定するようにしてください。 次のプログラムの穴埋めをしてください。
te = # 配列: グーチョキパーの配列
judge = # ハッシュ: 勝ち負けの判定
# judge[ユーザの手] == コンピュータの手 ならユーザの勝ちと判定できるハッシュ
puts "じゃんけんしましょう!"
puts "出したい手と対応する数字を入力してください。"
puts "(9を入力すると終了します)"
loop do
print "\n何を出しますか?(グー: 0, チョキ: 1, パー: 2) > "
user = gets.chomp.to_i
# 処理: ユーザの入力が9ならループを抜ける
# 処理: コンピュータの手をrandで決める
# (cpu変数に代入する)
puts "#{ユーザの手}ですね!コンピュータは#{コンピュータの手}です!"
if user == cpu
puts "あいこで〜〜"
elsif judege[user] == cpu
puts "やった!あなたの勝ちです!"
else
puts "残念!あなたの負けです!"
end
end